”えんどうまめ流”の子育ての目標は、「アウトドアライフ(スポーツやレクリエーションを含む)を通じて『Quolty of Life』(人生の質、生活の質)を高める」ことです。 アウトドアスポーツやレクリエーションは単に楽しくもあり、時としてスピリチュアルな経験もできる、まさに人生の質を高めてくれるものです。
またアウトドアライフはスポーツを含む包括概念で、自然とともに生きるシンプルで時にミザブルな経験もするライフスタイルこそが僕にとって一番居心地のいいクオリティオブライフです。
僕が人生で一番大事と思うことを子育ての最終目標にしたいと考えました。(と考えながらも、子育てって言うけど、結局子どもというのある時期のことで生涯続く人間育てってことだよな〜と思いながら書いてます) 最近、北欧のHAGLOFSというアウトドアメーカーのマガログ(マガジン+カタログ)の中に、「LACTIC ACID IS QUALITY OF LIFE」(乳酸はクオリティ・オブ・ライフである)という言葉を見つけ、思わず吹き出したのですが、とても気に入っています。
乳酸は痛みや苦しみ、辛さの象徴であり、苦しみや辛さを乗り越えたところに真のクオリティ・オブ・ライフがあると僕は解釈しました。
スポーツの世界も同様で、スポーツを楽しむとよく言いますが、決して楽(らくちん)=「楽しい」ではなく、反対に苦い=「楽しい」もスポーツで、だからこそ、生命力を燃焼させることができると僕は考えています。
オリンピックの父、クーベルタン男爵が言った、「オリンピックは参加することに意義がある」という有名な格言は、日本語で参加すると訳された元の英文は「STRUGGLE」(もがき、あがき)であり、クーベルタン男爵は、もしかしたらオリンピックに参加するためにはそこまで相当の努力すなわちもがきやあがきがあって、そのもがきこそ讃えるべきものと言いたかったのかもしれないと僕は信じています。
アウトドアレクリエーションがクオリティオブライフを高める価値があることを、サーフィンを例にあげて説明したいと思います。
映画「ライディング・ジャイアンツ」の中で、医師/サーファーのドリアン・バスコヴィッツ氏はこんなことを言っています。 「健康とは毎日良く働き、そして活気にあふれ、生き生きとした生活、優れた正しい生き方をしていること。それを達成するには、正しい食生活、十分な運動、適度な休息、そしてレクリエーションとポジティブな精神的姿勢が基盤となるライフスタイルを維持することだ。」
僕が、もし2050年(82歳)まで生きられたら、その時何をしていたいかと聞かれれば、迷わずサーフィンと答えます。その日のために、今から体力維持と規則正しい生活習慣を心がけています。 それぐらい、サーフィンが持つ力は大きいのです。
<<<サーフィンの魅力>>> サーフィンの魅力を言葉で説明することはむずかしいことですが、2003年10月にハワイでサーフィン中に鮫に襲われ左腕をほぼ肩のつけねから失った少女ベサニー・ハミルトン(当時13歳)は、片腕を失ってもまだサーフィンをやり続ける理由を次のように表現してます。「あの感覚を説明する努力をしてみたけれどどうしても無理だ。あの感覚はサーファーにしかわからない。ほとばしる感情、やみつきになる気持ち、心をかき乱され、頭をもてあそばれ、体を痛めつけられる。それでももっとほしくて何度でも戻りたくなる。そこでボードに乗った時の感覚を説明してみたいと思う。・・・あなたは今、広々とした海原で体のバランスを取りながらウレタンフォームのサーフボードにまたがっているところ、ふと見ると海が盛り上がり横長の隆起が素早く近づいてくる。あなたはボードをくるりと回して先端を岸に向け、両手で深く水をかいてゼロの状態から懸命に加速を始める。ときどきかなり苦しいときもある。パドリングに集中していれば近づいてくる波にやさしく持ち上げられることにほとんど気づかない。そのままパドリングをしていると今度は波が水面下のリーフにあたって、なだらかな斜面が突然まっすぐに高々と立ち上がり、急に重力に引っ張られるのを感じる。するとあなたとボードは、切り立った波のフェースを落下し始める。さあ来た!今、一つでも間違った動きをするとサーフボードもろとも波の谷間にまっさかさまだ。この場所に押し出される波の全エネルギーと力が集中しているのだ。受けて立つしか道はない。両腕をふんばり、両足にはずみをつけて体の下に入れるという動作を滑らかに一度で行う。するとほら、あなたは立っている!ボードが波のフェースを落ちるのを感じているうちに、あなたは突然、自分が波を斜めに横切っていることに気づく。浜辺へと前進しながら同時に上へ下に動いている。やった!このダンスのためにあなたは長い時間かけて一生懸命練習してきたのだ。でも私の場合は、今はもうあまり何も考えない。ただ体を動かすだけだ。・・・単なる興奮状態とは違う。サーフィンは体と魂を揺さぶる力だ。」(ベサニー・ハミルトン著「ソウル・サーファー」)
<<<スピリチュアルとサーフィン>>> 僕は宗教やスピリチュアルは全く自分とは関係ない世界と思っていました。でも、数年前、ハワイのライフガードの神様ことデニス氏と会って、考え方がすこし変わりました。彼はあっちの海からこっちの海から海の神様を呼び、その日一日海で遊ぶ我々が事故なく安全に遊べるように全員輪になって手をつなぎ、神様にお祈りをしたのです。 僕はタイミングを見計らいデニスに頼みました。「僕にもあなたの持っているハワイアンスピリットのパワーを分けてください」と。そしたら彼は快く僕の手を握り小さい声でぶつぶつ言いながらメッセージを送ってくれました。 だから僕には海の神様を呼ぶ力があると自分では思っています。
僕は一度ニュージーランドの海で、波に巻かれ怖い思いをしたことがあります。それ以来、実は海が怖くて、その恐怖心を未だに払拭できずにいます。ある時親しいお坊さんに相談したところ、お不動さんが身を守ってくれることを教わりました。そして不動明王真言と近所にある岩屋不動の場所も教えてもらいました。
「ノウマク サーマンダ バーザラ ダン センダ マーカロシャダ ソワタヤ ウン タラタ カンマン」
岩屋不動は小さな小さなお不動さんなのですが、その場所は何とも雰囲気のある場所でとても気に入り、時々お参りに行きます。また、海の神様がまつられている小動神社にも時々行きます。 スピリチュアル(スピリチュアリティ)をウィキペディアで調べると、「霊魂などの超自然的存在との見えないつながりを信じるまたは感じることに基づく、思想や実践の総称」とあります。 サーフィン界で、ジェリーロペスはモダンサーフィンの歴史の中で個性的でスピリチュアルな道を選んできたと言われています。彼は、サーフィンを通して得た多くの教訓や悟りも近い理解、そしてそれは海の中だけでなく自分の人生全般への教えであることを理解することがサーファーにとって最も大きな財産だと彼の著書「サーフリアライゼーション」の中で教えてくれています。彼はそれを”サーフリアライゼーション”と呼び、サーフィンは自分次第で、深く考えることなく単なるアクティビティとして楽しむこともできるし、スピリチュアルで深い意味を持つ経験にもなると言っています。
サーフィンを例に挙げましたが、実は全てのアウトドアレクリエーションの世界に言えることではないでしょうか。 そして、もしもこの域までいくことができれば、最高の人生を送れると思います。 それが僕が考える子育ての最終ゴールです。